
長野にいた。
この日は空ばかりみてた。
3月11日大地震が起きる1時間ほど前の長野の空。
雲がすごい早さで動いていて、自分は電車に乗っていた。
帰宅した瞬間家の中を風が吹き抜けるように音が鳴りだした。泥棒に入られたんじゃないかと思ったが違った。数分間強く揺れていたのを覚えている。
その後つけたテレビのNHKで巨大な津波が街をのみこんでいくのをリアルタイムでみた。
でもまさか10mの津波が家屋をバキバキ倒して飲み込んでいるなんて信じられなかった。本当に?
アナウンサーか解説員が今まさに波に飲み込まれていく車をみて、「あっ 人が乗っていますね・・」と言い、すぐに場面が切り替わってしまった。
それから私は奇妙な興奮に包まれる日々を過ごしていて、昨日、近所に住む人が津波で実家の家族を亡くしたことを知った。
その人の家族は車に乗って津波から逃げていた。
今車の中に水が入ってきている。という言葉が、その人が最後にした亡くなった家族との会話だったという。
車の中に水が入ってきて、だんだん息ができなくなっていく。その様子を想像して恐怖が一気に押し寄せてきた。
初めて今回の災害に対して、恐怖を覚えた。