2015年 06月 01日
irrrc |



7月に東京の南青山で個展を行うことになった。最近は打ち合わせのため、月1,2回東京に行っている。
その度に私はある人のお見舞いに行くことにしている。
その人は、もう何度も入退院を繰り返していて体調が芳しくない。
抗がん剤の影響で、毛が抜けてつるつるになった脛をむきだしにして話すHさんを見ながら、
なぜ病は人を純粋にさせるのだろうと思った。
正確に言うと、病に伏せた人はなぜピュアに見えるのか、ということだ。
Hさんと知り合ったのは、Hさんが病気になってからだから、私はHさんが病気ではない状態を知らないし、知り合った状況が純粋な気分にさせているのかもしれないのだけれど。。
もっとも、元々とても純粋な人だったのかもしれない。
純粋さや切実さを持っていない人とは何だかうまく話せない部分が自分にはあるかもしれないと最近思う。生とか性とか死を意識している人はどうしても切実になってしまうから、その影響もあるのだろう。
Hさんが何気なく話した言葉に泣いてしまって止まらなくなった。
病気のウイルスが空気感染するように、人の気持ちも空気感染するのだろうか。
「あなたの思い出で頭の中をいっぱいにしてから死にたい。」
「早く元気になっておいしいものを食べにいこう。」
「元気にならなかったら、死ぬしかないからね。」
大切な人に会うと、死なないでどうか元気で生きていて。と思うようになった。
by me1t
| 2015-06-01 00:00
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