2008年 10月 27日
土曜日 |
J CAST 会社ウォッチ
僕は今でも、話すべきテーマがない時に他人と話したいとは思わないし、そうする必要を感じたこともない。言葉がなくても一緒にいられるのは犬くらいなものだ。
それでもどこかで誰かとしゃべっているのは、仕事があるからだ。仕事上、話をしなければならないことは山ほどある。スタッフと話さないと仕事は進まないし、出資者と話して映画の理解を得なければならないし、マスコミの取材を受けて宣伝してもらわないといけない。(略)
友人にはしたくないような、とんでもないやつらもたくさんいて、でも、仕事だから付き合えるし、そういう人間も面白いとも思える。例えば、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは友人としてはともかく、仕事というフィルターを通すと、これほど面白い人間はいない。仕事はそんな面白い出会いを用意してくれるのだ。(略)
僕には友人と呼べる人はひとりもいない。けれど、仕事仲間ならたくさんいる。友人などほしいとも思わない。仕事仲間がいれば、それで十分だ。
(押井守『凡人として生きるということ』〔幻冬舎新書、123~125頁〕より)
by me1t
| 2008-10-27 17:27